シニアのための自分史講座

第八課 出版の知識

後世に残すとは 

 こうしてまとまった自分史を自伝や記録に残す方法、手順、費用などを知っておくと便利です。


 自分史は自慢することだけでなく、子どもや孫、現代の若い人など後世に残したいことを書いているのですから、できれば多くの人に読んでもらいたいものです。


 大正時代に起きた関東大震災の恐ろしさは、東日本大震災や東電福島原発事故の教訓になるでしょうし、第二次世界大戦の悲しみは世界に誇れる憲法九条を生んだ背景といった、みなさんの年配世代だからこそ伝えたい内容です。


 そんなに大上段に構えなくても、仕事のことだけでも苦労した体験、磨きぬいた技術、他にまねることのできない伝承、先輩後輩との人間関係、研究成果など個人でもたくさんの体験があり、長く正確に後世に残すために形あるものにしたいものです。

 

いざ本にするときには

 本にする場合、みなさんが一番知りたいことでもあり、わからないことは費用のことでしょう。一生に一度の試みですから失敗はしたくないし、できるだけ安くいい作品を望むのは当然です。


 ここで出版するときの注意点をいくつか述べておきます。


(ア)家族、友人、近所の人などごく身近な人たちに読んでもらうだけでいいと思えば、一番、安くできる印刷所に頼むことです。最近は「自分史の印刷請けます」といった広告が多くなりました。

 いくつかの印刷所に見積りを頼み、できれば過去の出来上がり本を見せてもらうと実力がわかるでしょう。


(イ)できれば多くの人に読んでもらいたい、可能ならば書店やインターネットなどで販売したいと考える場合は、当社のような自費出版を手がける出版社を探すことになります。

 こうした自費出版を請け負う会社もさまざまですから、見積り(どこでも見積りは無料ですから遠慮せずとる)は当然ですが、その出版社の特徴や過去の成果をよく知ることが重要です。

 既刊本の見本、書評対策、書店営業、インターネットや直販のための販促など時間をかけて調べたいものです。

「必ず売れます」とか「宣伝するから広まります」といった口約束は危険で、大手出版社でも裁判になっているところもあります。

 

出版費用の計算法 

 見積りでポイントになる点がありますので、ここを押さえて見積もってもらうといいでしょう。費用に比例する順になります。


(ア)どんな大きさで何ページの本になるか計算します。原稿用紙で何字になり、本にしたときに何ページになるかです。ページが多くなり、版型が大きいほど費用はかかります。

 このページ数は本の大きさと連動しています。大きな版型(大きさ)になれば一ページにたくさん字数がはいりますから、総ページは少なくなり、逆に版型が小さければページは多くなります。本制作で一番このことが費用に影響します。

 四六判(B6判に近い)というオーソドックスな版型で一ページに約六〇〇~八〇〇字が平均的にはいる字数です。


(イ)カラーページの数はどれくらいあるかも費用に大きく作用します。

 カバーや表紙、あるいは本文のなかに写真や絵をカラー印刷すると、白黒印刷の三~四倍の費用がかかります。カラーは一ページ約三万円前後かかるでしょう。一ページに二枚、三枚入れても料金は変わりません。   

 白黒写真や白黒の絵などは印刷方法で違いますが、無料のこともあります。デザイン料は別途です。


(ウ)製本方法にはだいたい二通りあります。上製本(ハードカバーともいい、表紙が厚いダンボール作り)と並製本(ソフトカバーで画用紙程度の厚さ)です。

 製本は一冊単位で計算されますから、何冊からでも注文できます。上製本は並製本に比べ一冊につき二五〇~四〇〇円くらい高くなります。


(エ)何部印刷するかですが、この冊数が思ったより費用に比例しません。

 印刷は機械にかけるとアッという間に一〇〇冊くらい刷り上ってしまいます。ですから印刷費はあまり費用に影響せず、紙代が変わっていく程度です。

 できれば少し余分に印刷しておくといいでしょう。

 出版費用についてより詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。  

 

発行後の計画

 以下のことは個人の判断で考えましょう。


(ア)どんな内容でも可能なかぎり読んでもらったほうが後世に考えを伝えられるので、本の紹介をしてもらいます。

 地元新聞、テレビ、ラジオ、業界紙、専門誌、ミニコミ紙などに贈呈して書評や著者紹介をしてもらいます。この世に一冊しかない本と思えば遠慮はいりません。


(イ)国会図書館、公共図書館への納入は有料ですから友人などにリクエストしてもらいましょう。あるいは出身校や市などに贈呈することもいいでしょう。図書館は多くの人が利用しますし、長い間、保存されます。


(ウ)年賀状、暑中見舞いなどに自分史の紹介をさらりと書いておくと、一つの近況として知ってもらえます。


(エ)出版記念会はさまざまですが、自宅や近くの公民館、レストランなどでお祝い程度に開いたり、呼びかけ人を募ってホテルなどで開くこともあります。

こうした案内状を出すときに、書評や紹介された記事などのコピーを添付して出す工夫もします。

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