後世に残る作家とは?

 「ありきたりの帯文ね」

 宗教にも洞察の深い桐島洋子さんにすいせんをいただくためゲラを送っていたときのこと。なかなか返事がなく、とうとう締めきりがきて電話をすると、事務所が何カ所もあってご本人はようようつかまらない。著作に講演に出演に内外を飛び歩いているらしい。

 「遅くなってごめんなさい。それでも毎晩枕もとにおいて読んでいたのよ。とてもいい本ですよ。わたしも引きこまれて読ましてもらいました。でも帯文はダメね」

 「遂に親鸞に出会えた!」に始まる彼女自身によるすいせん文が後日送られてきた。年間に何十冊と出る親鸞関連本、そのなかにあって林太郎の作品が絶賛されたのだ。彼は『小説・安藤昌益』で森村誠一氏に、『江戸解剖始記・山脇東洋』で養老孟司、童門冬二氏らに「無名なのに新人とは思えない実力」と言われた。

 作品集『たらちねの里』を刊行した田宮良一。森与志男氏が「民主文学」でこう評した。「この作品集の白眉というべきものは、最近作の『まほろばの里』であろう。」「それは深山衆とよばれるサンカ、山の民である」「素朴な力強い自然人たちの姿をとうして、田宮良一氏は今日の物質文明に生きる現代人に、人間の本当の生活とは何か静かに訴えかけている」と結ぶ。

 文学、そのなかの小説もまた低調な今日だが、二人の作品を作って思うに、きっと長く後世にまで残り継がれるだろうと確信している。

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