大阪府知事と市長が決まって、連日、報道されている。わたしたち大阪住民以外の人にとって、「大阪府構想」や「教育基本条例」といった内容がイメージしづらい。何をもって橋下氏や維新の会が独裁的といわれているのかも、内容として掴みづらい。
ところが、ある大阪選出の国会議員が「教育基本条例」の中味を話してくれた。これは維新の会が選挙で訴えたことだというから、事実なのだろう。
この教育条例案は、イギリスのサッチャー政権が打ち出した教育政策と、うり二つなのだそうだ。すでに20年以上前のことになる。
サッチャー氏はイギリスの教育水準が低下していることを心配し、また産業界からの要望もあって教育改革に乗り出す。子どもの成績を上げるため、授業内容や教員管理の方針を打ち出した。橋下市長と同じ改革が好きである。
すると、確かに少しずつではあるが国際的にもイギリスの成績は上がった。毎年、行なわれている国際的な国別テストがどれだけ有効か、正確かは解からないが、イギリスでは大歓迎だった。
しかし、その評価はだんだん下がり、ついには現在、この教育政策を支持、採用しているのはロンドンのごく一部でしかないらしい。
「優秀という新人を採用しても再教育しないと実際に役立たない。むしろ、以前のほうが優秀な子どもが多かった」
産業界からも冷たい評価の教育は何だったのか。結論からすると、「テストでいい成績をとる生徒は増えたが、自分の考えや立体的な捉え方をすることができない」子どもが多くなったらしい。
橋下市長と維新の会は、これをモデルにするというからには強い確信があるのだろう。すでに20年前に挫折した教育を進め、多くの教育学者と教員に反対された条例を採決するのだろうか。彼をして独裁と評する人、マスコミがあるが、一つの条例からもその判断が見えるかも知れない。
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