好きな作品を

 もっとも評価や良し悪しがわからないのは、自分の文章であり作品ではないでしょうか。他人のものは小さな皺の欠点までわかるのに、自分が書いたものは「これほどの名作はない」と錯覚したり、「初心者でもこれよりいい作品は書く」と落ち込んだりします。

 こうしたとき、わたしには取っておきの解消法、解決法があります。それは、好きな作品をもう一度、読みなおすことです。ずいぶん昔の作品でもいいし、ひと月前に読んだ物語でも効果的です。プロといわれる作家のものでも、友人の作品でも、素人といわれる方の作文でもいいのですが、唯一、それらの作品に心底、感動したものです。

 灰谷健次郎『太陽の子』、水上勉『雁の寺』、五木寛之『さらばモスクワ愚連隊』、宮本百合子『貧しき人々の群』、原民喜『夏の花』、田宮虎彦『花』、星新一『ボッコちゃん』、椎名誠『岳物語』、イ・ユンボギ『ユンボギの日記』、白木恵委子『蛍』、林太郎『小説・安藤昌益』、島崎藤村『夜明け前』、詩集の梅村淳『がんばるの火』、津布久晃司『少年の戦争』などなどが書棚に光っています。

 作品の傾向、統一性はまったくありません。いいかげんな自分の生き方のように。

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