合評をきっかけに

「東京見物、どこへ行きたい?」
「まず靖国神社、近くの皇居、それから」
 故郷・熊本の叔母を案内しようとしたときの会話だ。叔母は父の妹で、戦死した弟が靖国神社に奉られているからだ。
 案内するわたしの心境は複雑だった。
 ある例会で、「夏が来れば思いだす」という文章に対して質問と意見が出た。

 簡略すれば「戦争に巻き込まれた責任の一端は国民にもあるというが、戦死した父は犬死だったのか。一兵士にも責任があるのか」と。

 あの大戦は軍部と政府、そして天皇にも責任があることを否定する人は少ない。しかし、マスコミなども翼賛体制に巻き込まれ、本来の機能を失っていた。この延長として、暴走を止められなかった国民の側に反省は必要ないのか、どうか作品は問うた。さらには軍部上層部と一般軍人の責任はどうか。
 じつは、この問題はけして過去の戦争だけでなく、東日本大震災で起きた東電福島原発事故と、全国の原発問題に同じようなことが問われていると思う。
 今年度のドキュメント大賞になったNHK「メルトダウン」では、まさに隠された原発の危険がたくさんあることを知らせている。

 あの大戦もそうだったが、「風潮に流れやすく大勢に抗しない日本人」、それは民族性なのか、文化なのか。一つの作品をきっかけに議論を呈したい。

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