「やさしい文章教室」執筆の手引き

〈初めて書いた友人の話〉

 女子柔道家の山口香さんは、ブログを立ち上げているように文武両道です。筑波大出身で母校の大学院准教授の才媛。
 ところが、わたしの友人、知人にはなかなか文武両道の人は少ない。とくに柔道家はなぜか硬派で、書くことが苦手の人が多いのです。
 しかし、あるキッカケで文章に挑戦しはじめた柔道家がいます。高校時代、一緒に汗を流した同級生のS氏。彼は2年前、美人の奥さんに先立たれました。長い闘病生活を支えてきた彼のショックは、大変なものだったでしょう。
 ある時、わたしが所属する文学同人の催しがありました。会員以外でも気軽に参加できる文学散歩。誰でも気楽に楽しめるよう工夫してあります。伊藤左千夫の文学碑を中心に、東京の下町・亀戸天神の花見、名物のもんじゃ焼き。昼ごはんでは自由にお酒も飲めます。
 アルコールがはいった気分でか、初めて知りあった会員に、奥さんのことを彼は話し始めました。10数人という少人数も幸いしたのか、奥さんの闘病や2人での買い物、料理の想い出を参加者に話しました。
 すると、隣りに座っていた文学会員が、「そんなに奥さんへの思いがあるなら、短くても文章に書いてみたら」と、追悼文をすすめたのです。
 これまで、文章とか文学にはまったく縁のなかった武道派の彼が、次つぎに文章を書き始めています。どんなことがキッカケで新しい道に出会うか、不思議です。
 奥さんの思い出を語ってもらいました。
 ガンとの闘いは10年に近いこと。だんだん旅行など体力の必要な楽しみが減っていく。手作りの人形や飾りものを作る室内趣味に。それでも自宅療養なのと、抗ガン剤を使わなかった安らかな日常。
 「そんなに話すことがあるなら、メモみたいでいいから原稿用紙に整理してみたら」
 そうです、何時間あっても語りきれない思い出ですから、うまい(上手)、下手(へた)は別にして、追悼したいことはたくさんあるはず。やがて例会に持ってきた、パソコン制作のS氏の原稿は1万字余になっていました。こうして彼は、初めての自分史にとりくんだのです。

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